裏当金製作マニュアルとジャバラ機能について

裏当金製作の寸法の決め方(一体型の例)

1.     1、2のコラム@〜Eの内径を測定し、最小寸法+0、−1mmを製作公差とする裏当金外径にします。
  →AやDがせまい場合のコラムにはこちら

2.     3のコラムF〜IのR寸法を測定し、最大寸法を裏当金曲げR寸法とします。






                                                                              

組立て時にR形状付近に隙間ができるしくみ ・・・裏当金製作者の課題

たとえ裏当金R形状がコラムR形状に合っていて(R寸法が同じ)もコラム内径と裏当金外径に差があり平面部分に
すでに隙間があれば(図5)それだけで、シャコ万力で締め付けが困難な裏当金R形状とコラムR形状の間には組立て
後も隙間が残ってしまいます。ところが、コラム断面の形状は画一的ではないためわざわざ平面部分に隙間ができる
ように(裏当金が不良品にならないように小さめに製作)上記方法にて裏当金を製作すると、例1のような場合、シームや
上記@〜Iの寸法の位置関係によってR形状部分の隙間が4mm以上となり(図6)、さらにそれ以上の場合もあります。
R形状の最大隙間幅の計算式は以下の通りです。(図4)  

1a    任意コラム・断面形状のばらつきのための製作公差、縦横径各1mm ・・・・・・・(い)

+コラム内径最大寸法と最小寸法の差、1.5mm(二分割裏当金の場合は0mmの計算)・・・・・(ろ)

   +コラムR寸法の最大値と最小値の差、5R  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(は)

   =1.4mm(い’)+0.7mm(ろ’)+2.0mm(は’)

   =4.1mm(対角線上を隙間にした最大値) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(に)

    
      
 
    (に)     

                

          
              
                                                                    

 

      

      図4     ↓        図5                図6                 図7

ジャバラ機能(裏当金平面部分伸縮)の必需性(伸縮が−1.5mm〜+5mm程可能)

ジャバラ機能を使えば例1のような場合でも隙間の最大値を1.5mm以下にすることが可能です(図7)。
裏当金を変形させてコラム内径と同寸法に修正できます。R形状の最大隙間幅の計算式は以下の通りです。

1b     任意コラム・断面形状のばらつきのための製作公差、縦横径各1mm→修正後0mm ・・・・・(ほ)

+コラム内径最大寸法と最小寸法の差、1.5mm→修正後0mm ・・・・・・・・・・・(へ)

      +R形状全体に隙間ができる最大R寸法から、R形状の始終端付近に隙間ができる最小R寸法近くに変え(図7)、
       
四分割裏当金使用時の様に密着度の高い締め付けが容易になり、1.17mm以下 ・・・・・(と)

      =0mm(ほ’)+0mm(へ’)+1.17mm以下(と’)

  =1.17mm以下(R形状の始終端付近を隙間にした最大値) ・・・・・・・・・・・・・(ち)

ジャバラ機能によって隙間を3mm程縮めたことになり、例1のような場合でも、鉄骨監理者向け文献による裏当金
R形状とコラムR形状の隙間の許容値である1.5mm以下の精度を満たしたことになります。

以上のことから、裏当金外径の寸法精度がR形状付近の隙間解消に一番重要であるといえます。

※上記は理論値であり、実際は裏当金組立て作業者が調整して隙間の偏りが多少解消されます。

  裏当金製作の寸法精度の出し方(コの字型の例)
曲げR寸法表
12×350×350
@〜E
325.5〜327mmF〜I
18R〜
23R
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